ハリー・ウィンストン。ダイヤモンドの王様はなぜそう呼ばれ、現在はどう評価されている?
- 東京宝石倶楽部
- 5月24日
- 読了時間: 10分

「ハリー・ウィンストン」は世界五大ジュエラーの中で、「ダイヤモンドの王様」という異名がつけられるほど、大きな特徴を持つブランドです。日本国内でも大流行した時期があります。
この記事ではハリー・ウィンストンの歴史や特徴を紹介するとともに、最近の人気や買取ニーズも案内いたします。 ※このページに掲載している画像は、すべてイメージです。
3. 日本でも人気上々
4. 昨今の買取事情
ダイヤモンドの王様ができるまで
ハリー・ウィンストンは世界五大ジュエラーの中で、もっとも設立が遅いブランドです。しかし「ダイヤモンドの王様(キング・オブ・ダイヤモンド)」という、宝石の中でも代表格といえる石の頂点という輝かしい名声を持ちます。
創業者、ハリー・ウィンストンは1896年、ニューヨークに生を受けました。生家は小さな宝石店。もちろん、日常生活で数多くの宝石にかこまれて育ちます。
宝石への驚くべき才能は、1908年に萌芽します。質屋が単なるガラスだと思っていた石を、ウィンストンはエメラルドと感じわずか25セントで手に入れます。その鑑定眼が、ウィンストンが育った宝石店という環境だけによるものだけではないことは、父もまたそれを最初はガラスに過ぎないと考えたことからもわかるでしょう。
短期間で、ほとんど無価値のガラスと思われていたものは、800ドルで売られる宝石へと昇華していました。

時は流れ1920年、ウィンストンはニューヨークの5番街に自身の会社、プレミア・ダイヤモンド社を興します。一人だけでの船出でした。ビジネスに奔走する日々、ウィンストンには多くの出会いがありました。
まず語らねばならないのは、エドナ・フライシュマンとの出会い。後に長い求婚を経て、ウィンストンの妻となる女性です。エドナの上品な美学は、ウィンストン社の広告にもしばしば影響をもたらしたと言います。
アラベラ・ハンティントン夫人の貴重なコレクションは、重要な顧客たちとのつながりを得るのに大いに役立つものでした。またこのハンティントン夫人のエステート・ジュエリー(所有していた品)から得たインスピレーションは、後のベル・コレクションへとつながっていきます。
1932年、ハリー・ウィンストン社が設立されます。ブランドが誕生したとされる、公式な年です。

ブランド設立の前後も、ウィンストンは貴重な出会いと豊富な知識とで数多くの知遇を得るとともに、みずからがダイヤモンドの原石が見つかったと聞けば現地に赴く行動力で、存在感を大いに高めていきます。
その名声を最も高め確実にした象徴的な出来事、それが「ヨンカー」と呼ばれこととなる、ダイヤモンドの原石を手に入れた時です。ちなみにヨンカーとは、これを発見した坑夫に敬意を評し、その名前からつけられたものだと言います。
「ストータスベリー・エメラルド」「ブリオレット」など貴重な宝石たちを世におくり出し、ウィンストンは1947年、コスモポリタン誌から「キング・オブ・ダイヤモンド」の称号を贈られます。ダイヤモンドの王様の誕生です。
ハリー・ウィンストンの特徴
ハリー・ウィンストンのもっとも有名な特徴は、やはりダイヤモンドです。ブランドのすべてのジュエリーにダイヤが存在していることは、よく知られます。
それだけではなく、ダイヤモンドの評価基準として広く知られる4C以外にも、ハリー・ウィンストンは独自の基準を設けています。ブランドが「5つめのC」として公表している基準、それは「Character(個性)」です。つまり、唯一無二の存在。4Cの基準も厳格、最高のものというのに加え、他にはない希少性が、ハリー・ウィンストンの価値をいっそう高め、ブランドそのものを大いなる高みに押し上げていると言えるでしょう。

4Cの中では、とりわけその大きさ(Carat)がハリー・ウィンストンの特徴とされます。一般的にダイヤモンドは大きければ大きいほどその価値はあがっていきます。そして、「ハリー・ウィンストンのダイヤモンドは大きい」というのは定説。大きなダイヤモンド、これがシンプルにブランドが支持される理由の一つです。
大きなダイヤモンドは自然界には存在しにくいので、それだけで価値があがるのです。もちろん、ハリー・ウィンストンは他の4Cについても厳格に評価していることは、重ねて付け加えておきましょう。
なおわずかながら、ハリー・ウィンストンにもダイヤモンドがセッティングされていないジュエリーが存在します。多くは日本国内では販売されていないものなので、その意味ではダイヤモンドジュエリーより価値があるともいえます。
ダイヤモンドの王様以外にも、ハリー・ウィンストンにはよく知られる呼称があります。「スターたちのジュエラー」。つまり多くの著名人、芸能人たちが愛用するブランドというわけです。海外ではハリウッドとの関係がとりわけ有名です。日本でも、有名人の結婚指輪としてのニュースが流れます。
ジュエリーそのものの魅力もありますが、プロモーションにも長けた存在というのは業界内でも有名な話。ハリー・ウィンストンはまた、広報戦略でも優れたブランドなのです。
ハリー・ウィンストンをお持ちの方、お気軽にご連絡ください
日本でも人気上々
ヨーロッパから世界進出を始めたハリー・ウィンストンが日本に進出してきたのは、1988年のこと。今ではバブルというネガティブな言葉で語られますが、日本がもっとも好景気だった時期です。世界中の貴重な品々を金に糸目を付けず買い漁る日本人、といったことまで囁かれました。つまりはこの時期に日本に入ってきた宝石、ジュエリーはとても高価で価値があるのです。
もちろん、現代の日本でもハリー・ウィンストンは人気が高いブランドです。前章でも少し触れましたが、国内の有名芸能人に関する幸せなニュースでは、結婚・婚約指輪として大きく話題になります。指輪以外にはネックレス、そして時計も人気です。ハリー・ウィンストンは宝石、特にダイヤモンドの魅力で女性たちの心をつかみましたが、今はメンズウォッチも人気のアイテムとなっています。
ハリー・ウィンストンの日本での変遷を大きく示すと、次のようになります。

○1980年代後半
日本にブランド1号店がオープン(銀座)。ブランドの情報が多くなり、憧れが強くなっていった時期。
○1990~2000年代初
ハリー・ウィンストンが直営店を次々とオープン。また有名人たちが身に着ける姿も多く流れる。日本国内はバブル崩壊、景気が下がっていったものの、もちろんジュエリーを手にする層は存在。憧れがより広く、実際に手に入れる人々も増えた時期。
○2000年代後半~2010年代
結婚、婚約指輪の大きな選択肢となる。また時計人気も高まっていく。
インターネットを通じて若年層にもハリー・ウィンストン人気が高まった時期。
○2020年代~
SNSで誰もが情報を発信できる時代、「スターたちのジュエラー」、ハリー・ウィンストンの戦略と相性のよさとが合致し、一層広く拡散され、認知度が高まっている。加えてハリー・ウィンストンの厳しい品質基準や透明性も、現代にマッチして支持を集めている。
ハリー・ウィンストンの人気がいっそう高まっているのは、インターネット(SNS)や企業姿勢がうまく潮流に乗っているというのが大きいといえます。もっともプラス面ばかりではなく、(値段が高すぎてとても手に入れられない)という思考が働き、「見栄で買うブランド」といった声も少なからずあることもお伝えしておきましょう。
昨今の買取事情

ハリー・ウィンストンの人気は今も変わらず、いっそう高まっていることはここまでで伝わったと思います。
ですから買い取り需要も高い、高額査定が出やすいと考える方が多いでしょう。
ところが、そう単純なものではありません。
需要はもちろんあるので、ハリーウィンストンのジュエリーであれば買取を断られる、査定額がつかないといったことは滅多にないでしょう。
しかし、買取額が高いか低いかは別です。それは次のような理由があるからです。
価値をわからない鑑定士が査定額をつける。
買取後、日本国内の自店舗(国内向けのECサイト)での販売をメインにしている。
その買取業者が、国内での業者間取引が多い。
ハリー・ウィンストンの価値をわからない鑑定士なんているの?と思うかもしれませんが、たくさんいます。チェーン店、大規模店などには、ちょっとした研修やマニュアルだけで鑑定している人が大勢いるからです。ハリー・ウィンストンブランドの中でも価値が高いもの、逆に低いものなどいろいろです。単純な見方として、世に多く出ているモデルであれば希少性は薄れます。現在の人気のあるなしはもちろん重要な基準です。残念ながら多くの会社勤めの鑑定士、あるいはジュエリー以外のさまざまなアイテムを扱うリユース店などには、そうした知識はないでしょう。価値の高低がわからないならば、損が出ないよう低い査定額にするのはあたり前なのです。
指輪やネックレス、ルースも査定いたします
買い取った品を直営で売っているなら、間に余計な取引が入らないから、その分高く買い取ってもらえる気がします。
しかしそれは間違いです。一般の方が中古ジュエリー店で購入する目的の多くは、安く買えるからです。ハリー・ウィンストンはとりわけ高価なブランドですから、中古品で新品より低い販売価格となっていても、なかなか手が出ません。つまり、日本国内の自店やECサイト(通販)に出しても売れにくいのです。売れにくいものを高く買い取る必要は、直販が多い買取店ではもちろんないのです。
関連して、業者間でも取引先が国内か海外かで違いが出てきます。裕福層が多い上り調子の海外の国では、もちろんハリー・ウィンストンの需要が多くあります。高値での取引も可能です。
海外取引が多い宝石、ジュエリーの専門店は「このハリー・ウィンストンは、どれだけの額で取引ができるか」をすぐに判断できます。専門店を掲げていても、実際には窓口業務だけといった宝石店もたくさんあります。そこも注意が必要ですが、自社で海外取引をしているお店であれば、適切な査定額をつけれるスタッフがいる可能性は高まります。
なお結婚、婚約指輪が多いハリー・ウィンストン、「イニシャルが入った指輪は、売れないのでは?」と考える方が大勢いらっしゃいます。イニシャルが入っているから買い取ってもらえない、ということはまずありません。理由は、結婚指輪は売れます。買取されないと考える理由、気になるお値段を解説で詳しく紹介しています。

宝石買取の専門店としてより実情を書くと、ハリー・ウィンストンが日本に上陸した時期、つまり日本の景気がよかった頃に手に入れた宝石、ジュエリーは高品質なものが多く、海外需要も多くあります。
1990~2000年代は、ブランドジュエリー以外の用途や場所でも、ハリー・ウィンストンが多く贈られていました。それだけに「ハリー・ウィンストンを持っているけど、いくらくらいで売れるの?」と考えている方は、たくさんいらっしゃいます。
80年代前後に手に入れたジュエリーがいくらくらいで売れるのか知りたい、あるいは家族から譲ってもらったものを査定してもらいたい、といった方は、高値がつく可能性があります。
それ以降に手に入れた方も、もう身に着けたり手元に置いておきたい気持ちがない場合は、売却をした方がほとんどの場合で実利は得るはずです。
東京宝石俱楽部で買い取った品は基本的には海外との取引をしています。一般の方からの買取は来店いただける東京および近郊はもちろん、他の地域であっても来店と同等の説明をスマートフォンやパソコンを通してできる、在宅オンライン査定もおこなっています。
指輪やネックレス、ルースも査定いたします
ネットでたまたま見つけた買取店から査定額が出てきた。高いのか安いのかわからないけどとりあえず売る・・・だと損をしてしまうかもしれません。ハリー・ウィンストンのようなとりわけ高いブランドだと、(他店に問い合わせておけば、もっともっと高い査定額が出たのに)と、損を知った時のショックも大きくなってしまいます。査定だけでも結構ですので当店に、お気軽にご依頼ください。
宝石、ジュエリーの専門店、東京宝石倶楽部は、LINEの簡単なやり取りで正確な査定額をお出しします。 東京近郊はもちろん、全国から買取をしています。
この記事の監修者

東京宝石倶楽部
この記事は日本一の宝石街に店舗がある専門店、東京宝石倶楽部が監修しています。