ティファニー。5大ジュエラーでもっとも長い歴史を持つ、その過去から現在
- 東京宝石倶楽部

- 9月22日
- 読了時間: 12分
更新日:9月23日

ティファニーは世界5大ジュエラーの中で、もっとも早くに創業されたブランドです。日本上陸も一番最初だったのがティファニー。
レディー・ガガの広告起用、ポケモンとのコラボなど、新しい時代を切り拓いていく動きも活発なブランドです。
ティファニーの歴史と現在、そして買取事情について解説します。 ※このページに掲載している画像は、すべてイメージです。
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1. 4.98ドルからの出発
2. ティファニーのデザイン
3. 日本への進出と広がり
4. ティファニーと宝石
5. ティファニーの買取事情
4.98ドルからの出発
ティファニーは、アメリカ生まれのブランドです。
アメリカ合衆国の建国は1776年。ティファニーの1号店がニューヨークにオープンしたのが1837年。つまり建国から約60年後のこと。ティファニーより古くアメリカ国内で産声をあげ、今日にもつづくブランドは、ブルックス・ブラザーズやジム・ビームなど数えるほど。誰もが知るコカ・コーラでさえ、ティファニーの半世紀後の誕生です。
そんなティファニーですが、初日の売上は4.98ドルと記録されています。つまり1,000円にも満たない金額です。またこの1号店、「ティファニー・アンド・ヤング」は文房具や装飾品のお店でした。
ブランドとしての地位を高めていくきっかけになったのはカタログ。これはアメリカで初めてのダイレクトメールカタログであり、アメリカの人々にラグジュアリーアイテムの世界を紹介する一冊でした。今日につづく「ティファニー ブルーブック」の始まりであり、ティファニーブルーもこの時に世に出たカラーです。
ティファニーの取引上の特徴はカタログだけではなく、値段は時価で交渉するという時代に値札をつける、値引きには応じないという画期的なスタイルを築き上げた点にもあります。こうした取り組みにより、次第にティファニーの評判は広がっていったのです。

1800年代の半ば、ティファニーはブランドとしての特長を鮮明にしていきます。
先ほどあげたカタログの発行から3年後、ヨーロッパの貴族からジェムストーン(宝石の原石)の買いつけに成功。アメリカ国内で、ダイヤモンドの販売元としての地位を確立します。さらにそこから3年後には、シルバーの純度基準を925/1000と設定。これはアメリカの企業で初、そして後に米国の公式基準として採用されるものでした。今日ではスターリングシルバー(SV925)として知られます。
ティファニーが社会的な地位を高めていったことは、時の大統領リンカーンが夫人のために、ティファニーのアイテムを購入したという逸話からも伺えます。
1877年、ティファニーを宝石という観点でみると、非常に重要な出来事があります。世界の頂点ともされるファンシーイエローダイヤモンド、「ティファニーダイヤモンド」の誕生です。
ジュエリーとしては1886年、ティファニー® セッティングが発表されます。今日も広く知られ、憧れの対象となっている婚約指輪のスタンダードとなっていきます。
1900年代に入り、ティファニーのブランドとしての地位が高まっていくとともに、魅力的なデザインが次々に生まれていきます。次はそんなティファニーの宝石やデザインを中心とした特徴とともに、今日につづくブランドの物語を見ていきましょう。
ティファニーのデザイン
宝石を中心としてティファニーの特徴を見ると、やはりダイヤモンドです。「キングオブダイヤモンド」と称されました。
中には、「キングオブダイヤモンドとは、ハリー・ウィンストンのことでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。これもまた正解です。ティファニーがキングオブダイヤモンドと呼ばれたのは1840年代、きっかけはダイヤの原石をアメリカ国内で初めて披露したことから。ハリー・ウィンストン社の誕生は1932年ですから、おおよそ100年近くの差があるわけです。つまり、5大ジュエラーの中で時代が大きく違うわけです。
ハリーウィンストンについは、ハリー・ウィンストン。ダイヤモンドの王様はなぜそう呼ばれ、現在はどう評価されている?をご覧ください。

ダイヤモンドとティファニーの関係について、「ダイヤモンドリング=愛のシンボル」という公式を生み出した、初のジュエラーということがあげられます。愛をジュエリーという形で伝える、その象徴であり始まりこそが、ティファニーなのです。
1900年代に入ってからのティファニーは、デザイン的な進化を大きくすすめていきます。
1902年、創業者チャールズ・ルイス・ティファニーの子息、ルイス・コンフォート・ティファニーがティファニー初となるデザインディレクターに就きます。ルイス・コンフォート・ティファニーはステンドグラスや窓の作品で名を馳せ、この時代アメリカ屈指のデザイナーという名声を得ています。
ちなみにこのルイス。もともとは宝石業を継ぐことを拒否し、芸術の世界を目指します。後にティファニーともビジネス的な関わりを持っていきますが、創業者チャールズが商業的な成功を、一方のルイスは芸術分野での成功を収めたという、親子で異なる名声を得たというのは特筆すべき点です。チャールズはTiffany&Co.という巨大ブランドを、一方のルイスはTiffany Studiosというガラス工芸のスタジオをティファニー参画前から立ち上げており、パリ万博ではTiffany&Co.を凌ぐ評判を得ていたともいいます。
さて、ティファニーには三大デザイナーと称される存在がいます。
ジーン・シュランバーゼーは、1956年にティファニーのデザイナーに就任します。動植物や布地のような造形を、宝石を使い超現実的に表現した数々のデザイン。20世紀のアーティストを代表する一人ともされる彼のデザインは、裕福層に広く支持されました。
エルサ・ペレッティがティファニーのデザイナーとなったのは1974年のこと。もともとモデルとして活躍していた彼女は、モダンな感性を生かし革新的なデザインを発表していきます。日常づかいのダイヤモンドジュエリーを世におくり出し、新たな顧客層を広げていきました。
イヴ・サン・ローランのジュエリーデザインがきっかけでティファニーが注目することになるパロマ・ピカソは、1980年にティファニーから新たなコレクションを発表。ストリートアートをジュエリーへと発展させるという、斬新な取り組みをおこないました。
2001年、ティファニーは誰もがこのブランドを想起するカラーを、「1837 Blue」として登録します。つまり、ティファニーブルーです。
2000年代のティファニーはLVMHグループの傘下入りという、企業体としては大きな変化がありました。しかしブランドとしての勢いや革新性は変わらず追い続けており、数多くのコレクションを発表。今なお世界中の人々を魅了し続けています。
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日本への進出と広がり
ティファニーの日本上陸は1972年のこと。ニューヨーク五番街本店をモデルに設計された、日本橋三越本店の「ティファニー サロン」です。

これは創業者チャールズ・ルイス・ティファニーが世を去ってから70年も後のことですが、チャールズ自身は日本への特別な思いを抱いていたようです。
というのも最初に文具店「ティファニー・アンド・ヤング」をオープンし、その経営が軌道に乗っていなかった頃のこと。チャールズは日本の伝統工芸品に目をつけ、それが高値で売れたのだとか。これは初期の大きなきっかけになった、と自身が語っていたそうです。つまりティファニーのサクセスストーリーの礎に、日本がしっかりと刻みこまれているのです。
チャールズはその後、自身が立ち上げたブランドが日本で広く、長く愛されるようになることを、予見していたでしょうか。日本が好景気で活気ある時代を代表するアイテムとして、ティファニーのオープンハートは多くの人がその名をあげることでしょう。一定の世代にとっては、贈った方に贈られた方。たとえ実際にそんな経験をしていない人たちも、ティファニーやオープンハートの名前や形をすぐに思い浮かべるに違いありません。
このオープンハートのブーム、大昔の話と思いきや、2000年代になって再燃したことも。2016年にはテレビドラマをきっかけに人気が上昇。2020年代に入ってからもブームが再び来た、と囁かれる声があります。良いものは時代を超え、愛されるということでしょう。それだけでなく、日本人の琴線に触れる何かが、ティファニーにはあるのかもしれません。
ティファニーの日本での活動は、積極的な地域貢献やコラボレーションにも多く見られます。たとえば国内の歴史的な重要史跡や、伝統芸術の保全を支援する活動。あるいはeスポーツの大会「モンストグランプリ ジャパン チャンピオンシップ」のトロフィー制作、ポケモンとのコラボなど、古き良き日本も新時代の日本も、ティファニーは数多くのかかわりを持ち続けています。
ビジネスの積極的な取り組みにより、数々の成功を収めてきたティファニー。その特長が、日本でも大いに発揮されているといえます。
ティファニーと宝石

時計やバッグなども展開するティファニーですが、やはりブランドを代表するのはジュエリー。ティファニーは宝石がセッティングされていない、ゴールドやシルバーだけで作られたジュエリーも数多く存在しますが、東京宝石倶楽部らしくここでは「宝石」に焦点をあてた解説をしてみましょう。
もともと文具店だったティファニーが、ハイブランドとしての道を大きく歩むきっかけになったのは、ヨーロッパからダイヤの買いつけに成功したこと。そう最初の方で記しました。より深く解説をすると、フランスの二月革命で国を逃れようとしていた貴族たちから、安くで貴重な宝石を買い占めていくことができたのです。
こうした歴史を見ると、宝石はいつの時代も世界をかけめぐっていく高貴な存在、というのがよくわかります。
これにより宝石商としての地位を瞬く間に確立、キング・オブ・ダイヤモンドの称号も手に入れたティファニー。しかしブランドが大きく飛翔していったのは、もっと先鋭的な取り組みによる部分が大きいかもしれません。
その一つは、ティファニーはダイヤモンド以外の新しい宝石の発見も多くしてきていること。
淡いピンクの透き通った色合いが美しい「クンツァイト」は、ティファニーの宝石鑑定士、ジョージ・フレデリック・クンツが発見し、その名から命名されました。
「タンザナイト」もまた、20世紀の半ばにティファニーが発見した宝石です。その他にもモンタナサファイアなどが、ティファニーにより広まった宝石として知られます。
ティファニーのダイヤモンド、いやブランドそのものを象徴するものとして、「ティファニーダイヤモンド」にも再び触れないわけにはいきません。発見時287.42カラットのものが、128.54カラットの美しいダイヤに仕上げられました。この世界最大級にして、最高峰のファンシーイエローダイヤモンドは、ニューヨーク本店に常設展示されています。なおこのカットを担当したのも宝石鑑定士のクンツです。
ティファニーはこれら質の高い宝石をセッティングしたジュエリーを提供していますが、それを支えるものとしてティファニー®セッティングに代表されるセッティング技術もまた重要。さらにはスターリングシルバーという、高品質な地金の存在も見逃すわけにはいかないというのを付け加えておきましょう。
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ティファニーの買取事情
人気が高いブランドですから、ティファニーのジュエリーはどの買取店でも査定しています。しかし、査定額は一律ではありません。高額査定のためには、高い値をつけてくれる買取店選びが重要。ここではお持ちのティファニーを高額買取してもらうための知識について、いくつか参考になるポイントをお伝えしていきます。
まず、ティファニーは世界五大ジュエラー(ティファニー、カルティエ、ブルガリ、ヴァ

ンクリーフ&アーペル、ハリー・ウィンストン)の中で、宝石がセッティングされていないアイテムも多いブランドです。
つまりゴールドやシルバー、プラチナのみでつくられたアイテムです。宝石なしであっても、ティファニーのジュエリーは他より高めの査定額がつきやすい点はメリットです。それは地金自体の品質のよさと、ティファニーのブランド力によるものです。
とはいえ地金なので、そこまで大きく差がつくわけでもありません。査定や買取店により多少の差は出ますが、嬉しいほど金額が異なるといった大きな差は滅多にないはずです。私たち東京宝石倶楽部で査定いただいた場合も、地金のみのアイテムでしたら極端な差は出ないでしょう(とはいえ、他所より高いという評価は多くいただきます)。
差が出るのは、やはり宝石がセッティングされたアイテムです。ダイヤモンドは比較的査定しやすい宝石ですが、ものによって差は大きく出ます。宝石やジュエリーに関する専門性が低い総合型、チェーン展開の買取店だと、ダイヤが付いていても地金のみであっても、多少の差しか査定額になかった、といった不満の声が聞かれます。
これが宝石を重視する専門店にお持ちいただくと、かなり査定額に違いが出ます。私たち東京宝石倶楽部がティファニーのアイテムを査定して高値をつけて喜ばれるのも、やはりダイヤモンドがついた指輪やネックレスなどのジュエリーです。
ティファニーのダイヤ以外の宝石がセットされた、指輪やネックレスなどはどうでしょうか。
たとえばタンザナイトリングだと、さらに大きく査定額が違うケースが多々あります。ダイヤと違いタンザナイトのような色石は、遥かに査定が難しくきちんと査定額が出せる査定士が少ないからです。
つまり地金のみのアイテムだったら、せいぜい数千円が買取店による違い。ところが宝石がついたアイテムだと数万円、数十万円・・・といった差が出る可能性も大いにあるのです。
ティファニーはもともと、幅広い価格帯のアイテムを多く展開するブランドです。ですから「ティファニーなのに・・・」と査定に出してがっかりされることもありますが、逆に「こんなに高くなるの!」と驚かれるケースもしばしば。
コレクションの希少性、あるいはセッティングされた宝石の質や大きさは特に重要な要素です。もちろんこの二つの両方が備わっていれば、大喜びできる査定額がつく可能性も大。とはいえ「しっかり査定ができる目を持つ買取店に行かれた場合」が絶対条件ですので、その点はくれぐれもご注意ください。
最後にティファニーは安定した人気のブランドですが、国際情勢などにより需要の増減は起こり得ます。
もしお手元に売却をお考えのティファニーがございましたら、お気軽にお問い合わせください。LINEによる査定、問い合わせであれば、ご来店いただかなくても簡単なやり取りで査定額や疑問にお答えできます。
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この記事の監修者

東京宝石倶楽部
この記事は日本一の宝石街に店舗がある専門店、東京宝石倶楽部が監修しています。




